低周波治療器の治療モードについて

マイクロカレント治療

接骨院などで置かれている業務用の低周波治療器に搭載されているマイクロカレント治療とは、生体内に微弱な電流を流すことで、組織損傷や組織の治癒促進、細胞レベルでの代謝の活性化を促します。

微弱電流は細胞レベルでアプローチする治療法なので、一般的な筋を収縮させる電気刺激と異なり、刺激感はほとんどありません。

しかし、マイクロカレント治療による微弱電流を流すことによって、発痛物質が徐々に除去されていくので、それにより疼痛抑制が行われます。

接骨院や整形外科での治療が終わった後に、すぐに痛みが軽減されるといった即時性はありませんが、時間経過とともに疼痛抑制効果が出てくることが特徴になります。

特に内出血などの炎症性の疾患には有効とされる電気治療になります。

また、疼痛抑制以外にも、運動後の筋肉痛や炎症の抑制効果などが期待出来ます。

接骨院の先生におかれては、患者さんに直ぐに痛みが軽減するのではなく、時間経過とともに、発痛物質が除去されていく旨を患者さんにしっかり説明をしておくと、より患者さんとの信頼関係を構築出来ると思います。

 

HV(ハイボルト)治療

高電圧の電気刺激をツインピーク波形で身体に流す治療法になります。

皮膚インピーダンスの影響を受けにくいことから、電気刺激を深部組織まで到達させることが出来るといった特徴があります。

ツインピーク波形の電気刺激は、高閾値の機械受容器に効果的にアプローチ出来ることから、高い疼痛抑制効果が期待出来ます。

局所における疼痛緩和治療と筋の再教育など、筋刺激治療に用いられます。

それ以外には、血流量の増大、皮膚潰瘍の治療促進などに利用されます。

 

神経筋電気刺激(NMES)

神経筋電気刺激(NMES:neuromuscular electrical stimulation)は、電気刺激による筋収縮によって、鍛えたい筋をスポット的に鍛えることが出来ます。

随意的筋収縮と比較すると、より長時間に渡って、最大筋力での収縮を持続出来ます。

また、電気刺激の周波数や波形、出力などの条件を変えることで、意図的に鍛えたい強度で筋肉を付けることが出来ることが特徴です。

障害による麻痺や痙縮の改善などにも有効であり、運動療法と併用することで、より大きな治療効果が見込めます。

 

経皮的末梢神経電気刺(TENS)

TENS(transcutaneous electrical nerve stimulation)とは、経皮的末梢神経電気刺激の略で、痛みの局所や周辺、または支配脊髄神経起始部などに電極を置き、低周波の電気刺激を通電する電気治療の一つになります。

経皮から電気で末梢神経を刺激することで、痛みを鎮痛させる仕組みで、テンスとも呼ばれています。

TENSは、内在性モルヒネ様物質の発見、抑制性伝達物質が関与する痛みの抑制機構の提唱がなされており、生体内の痛みを抑制する機構が備わっていることが証明されています。

この内在性抑制機構を利用した痛みの治療が示唆された為、電気刺激による疼痛緩和に関心が高まっていった歴史があります。

 

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