低周波治療器の電極の種類について

接骨院などで使われている業務用の低周波治療器では、様々な電極が使用可能です。

大別すると、自己接着型と非自己接着型に分けることが出来て、自己接着型の電極とは主に、ゲル電極の事を指します。

どちらにも、電極の使い勝手として、メリット・デメリットがありますので、それを下記にて解説していきます。

 

ゲル電極(自己接着型)

電極は、患者さんと刺激装置の間のインターフェースとして役割を果たします。

低周波治療器から出力される電気波形は、ケーブルやリード線を介して、電極から患者さんに電気刺激が伝わります。

ゲル電極は電極部にゲルがコーティングされており、ゲルによって電極と皮膚の間の皮膚抵抗を減少させる効果があります。

そしてゲル電極自体は、使い捨てであったり、または1ヶ月以上に渡って何回も使用出来るように設計されているものもあります。

このゲル電極がどの位期間において、使用可能かについてはゲルの性質に依存します。

ゲルがいったん乾燥しはじめると、電流密度は不均一になり、不均等な電流伝達を生じることになります。

具体的に言うと、電極がまだ伝達出来る部分では電流密度が高くなり、電極の下の皮膚が熱傷を起こすリスクが出てきます。よって、ゲル電極は定期的に検査し、乾燥したり、変色が見られた物については、破棄をする必要があります。

接骨院を経営する先生方から見ると、ゲル電極のような消耗品は経費が掛かるので、出来るだけ使いたくないといった考えを持つ方もいらっしゃると思います。

しかし、ゲル電極自体はその自己接着性において、しっかり患部に張り付いて電気を流すことが出来て、かつ患部を動かしながらでも低周波治療が出来るといったメリットがあるので、治療シーンによってうまく使い分けていくといったスタンスが良いのではないかと考えます。

 

金属電極(ステンレス鋼、アルミニウム)やシリコンラバー電極

金属電極やシリコンラバー電極は、ゲル電極と比較すると、長く使える電極になります。

電気伝導を効率良く行うために、金属電極は通常、水道水を含ませたスポンジを介在させて、電気を流すといった方法をとります。

また、シリコンラバー電極は、ゲル伝導媒体を表面について、通電させるケースが多いです。

これらの電極は、ゲル電極と違い、電極表面に粘着力がないため、テープやベルトなどで電極を固定する必要があります。

電極の大きさ、形状、材質の選択は治療目的、治療部位、対象となっている組織や筋の量に依存し、また電流密度(単位面積あたりに伝達する電流の量)が電極の大きさに反比例するので、電極面積の大きい電極は、小さい電極と比較すると、刺激感がマイルドであるといった特徴があります。

接骨院に来院される患者さんは、比較的年齢が高齢の方が多いかと思いますが、高齢者の方々は電気刺激に過敏に反応される方も多いので、なるべく電極面積の大きい電極を積極的に使用する方が、高齢者の方々への受けも良いと考えます。

 

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