低周波治療器用スポンジの扱い方について

治療器関連

目次

1.低周波治療器スポンジは、どんな役割があるのか。

2.低周波治療器スポンジの洗浄方法について

3.低周波治療器スポンジを長持ちさせる為には

 

 

1.低周波治療器スポンジは、どんな役割があるのか。

業務用の低周波治療器には、導子という電気を通電させる部品があります。

導子を患部に装着させて、導子を経由して患部に電気を流すことで、治療を行ないます。

 

この導子ですが、色々な物があり、吸引型のものや温熱タイプの導子は、スポンジを導子内に設置して、導子内部にある電極と患部との間の介在物としての役割を果たします。

 

そもそも、金属製の電極自体を患部に直接当ててしまうと、電気の体感がピリピリとして、痛く感じるケースが多くあります。

 

人間の皮膚は乾いている状態であると、通常電気は流れませんが、皮膚上に水分を塗布することによって、皮膚表面の接触抵抗が下がり、それにより電気を患部に通電出来るといった仕組みになります。

 

ですので、患部に電気を通電させるには、基本的に水分が必要であり、水分をある一定期間において、皮膚の表面に供給する素材として、「スポンジ」がとても有効なのです。

 

このスポンジですが、電気を流すためには非常に有効な素材になりますが、良いことばかりではありません。

 

例えば、スポンジに水分を含ませると、スポンジは水分の影響で冷たくなるので、患部に導子を装着した場合、「ヒヤっと」した体感があります。

 

特に冬場などの寒い時期に、患部に「ヒヤっと」した感触があるのは、とても気持ちが良いものではありません。

 

ですので、大抵の業務用の低周波治療器には、スポンジを温めるためのヒータを内蔵しており、患部に導子を装着した場合に、「ヒヤっと」した感じがしないように工夫をしています。

 

また、スポンジは患部に電気を流すためには非常に有効に働くのですが、衛生面において、気にする人はかなりいらっしゃいます。

 

衛生面において、十分配慮している接骨院や整形外科であれば、問題ないのですが、中にはスポンジを洗うのは週に1回といった、衛生面に対する配慮が欠けている治療院さんも、ある一定数存在します。

 

私自身も、衛生面において配慮の欠ける治療院に行った事は何回もありますが、自分が治療される側になった場合、かなりの嫌悪感を、感じると思います。

 

よって本記事においては、もっと衛生面に対してのリテラシーを向上して欲しいと思い、下記にスポンジの洗浄方法と、スポンジを長持ちさせる為のコツについて、ご紹介していきます。

 

 

2.低周波治療器スポンジの洗浄方法について

低周波治療器用のスポンジですが、新品の状態であると、スポンジ自体に「防カビ剤」や「乾燥防止剤」がついていますので、まずスポンジの袋を開封したら、スポンジをよく水で洗って下さい。

 

使用初めは、スポンジの色が若干落ちる可能性はありますが、スポンジの性能に影響はありませんので、心配は無用です。

 

そして、低周波治療器用のスポンジの洗浄頻度ですが、メーカーでは1日1回程度を推奨しています。

 

そして、具体的な「洗浄方法」ですが、以下の方法があります。

・中性洗剤を使用する方法

・煮沸消毒する方法

・オスバン溶液を使用する方法

 

中性洗剤を使用する方法

スポンジを洗浄する際には、「中性洗剤」を使用するようにして、「アルカリ性の洗剤」「漂白剤」「酸」などは、避けるようにして下さい。

中性洗剤以外の「漂白剤」や「酸」を使用すると、スポンジを劣化させる原因になります。

 

煮沸消毒する方法

スポンジは煮沸消毒(スポンジの耐熱温度は約130度)が可能ですので、もし煮沸消毒をする場合は、10分以上行うと、しっかり消毒することが出来ます。

 

オスバン溶液を使用する方法

消毒用にオズバン溶液(0.2%~0.5%)も使用可能です。

スポンジ内部まで浸透するように、軽く揉んで漬け置き(10分以内)するようにして下さい。

 

スポンジ自体は紙と同じ「パルプ」を原料として作られているため、一般的な布製品や合成素材のスポンジと比較すると強度は劣ってしまいます。

 

その為、洗浄・消毒時には洗濯機を使ったり、絞る時に、きつくねじったりするような事はしないようにして下さい。

 

以上が、スポンジを安全に洗浄する方法になります。

 

 

3.低周波治療器スポンジを長持ちさせる為には

低周波治療器に使用されるスポンジは、基本的に消耗品です。

消耗品である以上、ある一定期間使用した場合、どこかのタイミングで交換しなければなりません。

 

しかし、その交換するタイミングが早いと、消耗品に掛かる費用が高くついてしまいますので、なるべく衛生面はキープしつつ、長く使用したいものです。

 

ここでは、「スポンジを長持ちさせるコツ」について、紹介していきたいと思います。

 

私は、以前ボロボロになって返ってきたスポンジを見たことがあります。

ボロボロになるまでの期間は、約2~3ケ月との事です。

約2~3ケ月で、スポンジがボロボロになってしまうというのは、非常に早いケースです。

 

しかし、スポンジを長持ちさせている所では、数年間同じスポンジを使っている治療院もあります。

 

ですので、約2~3ケ月程度で使えなくなってしまうのは、レアケースとして考えられます。

 

それではなぜこんなに早くスポンジが、ボロボロになってしまったのでしょうか?

 

まず、そのボロボロになってしまったスポンジを使っていたユーザーに、どのような方法で扱っていたのか、聞き取り調査を実施しました。

 

その結果、スポンジをこまめに消毒していなく、かつスポンジをずっと湿らせた状態にしている事が多いとの事でした。

 

ここでポイントになるのが、「こまめに消毒していない点」と「ずっと湿らせた状態にしている点」になります。

 

スポンジは各低周波治療器メーカーが提供していますが、スポンジの素材自体は、どのメーカーも、「セルロース」を扱っています。

 

「セルロース」は、自然界に存在するパルプが素材になりますが、水分を保持する保水性に優れており、単価も比較的安価なことから、どの低周波治療器メーカーも、「セルロース」を採用しています。

 

このセルロースですが、自然界に存在するものであり、雑菌などがセルロース内部に繁殖した場合、雑菌がセルロースをボロボロにしてしまうことが分かってきました。

 

セルロースを扱っている大手素材メーカーのS社に調査を依頼した事もあるのですが、その結果は、やはり雑菌の影響が高いとの内容が、調査レポートに記載されていました。

 

そして、大手素材メーカーS社の見解としては、スポンジがボロボロにならない為の対策として、「こまめに消毒すること」と「使っていない場合は乾かす」といった事を、指摘されました。

 

雑菌は、不衛生な状態で爆発的に繁殖しますし、湿った状態を雑菌は好みます。

 

つまり、スポンジがボロボロになるのが早かった治療院では、スポンジ内部に雑菌が繁殖しやすい悪条件が重なっていたのです。

 

如何でしたのでしょうか?

スポンジに使われている素材は、「セルロース」であること。

そして、そのセルロースがボロボロになる理由は、雑菌にあることを分かって頂けたと思います。

 

本記事では、スポンジの役割からはじまり、「スポンジの洗浄方法」と「スポンジを長持ちさせるコツ」について、ご紹介してきました。

 

業務用の低周波治療器において、スポンジはなくてはならない存在です。

そして、患者様の肌に直接触れるものなので、衛生面については細心の注意を払って欲しいものです。

 

また、スポンジは消耗品という側面も持ち合わせていますので、出来るだけ衛生面はキープしつつ、かつ長持ちさせることが、治療院にとっても患者様にとっても、良い関係を築く上で、必要な条件であると私は感じます。

 

本記事が、少しでも皆様のお役に立てれば幸いです。

コメント

タイトルとURLをコピーしました